基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成28年 秋期 基本情報技術者 午後 問07
問07   4問選択

 業務提携と出資の検討に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 

 消費財メーカのB社は,同業のT社との物流業務での提携を考えており, そのためにT社への出資を検討している。B社では,T社への出資額を算定するための準備として, T社の財務状況を調査して,企業価値を算出することになった。表1〜3は,B社が 入手したT社の 2016 年度の損益計算書,貸借対照表及びキャッシュフロー(以下,CF という)計算書の予測である。

 

表1 T社の 2Ø16 年度の損益計算書の予測(単位:億円)
 売上高    120  
 売上総利益     40  
 営業利益     7  
 経常利益     9  
 税引き前純利益    10  
 税引き後純利益    7  

 

表2 T社の 2Ø16 年度の貸借対照表の予測(単位:億円)
 流動資産    50  
 固定資産   100  
 流動負債    40  
 固定負債    30  
 純資産     80  

 

表3 T社の 2Ø16 年度の CF 計算書の予測(単位:億円)
 営業活動による CF    15  
 投資活動による CF   −5  
 財務活動による CF   −3  

 

設問1  表1〜3に関する次の記述中の に入れる適切な答えを, 解答群の中から選べ。

 

 B社では,出資する相手企業が次の条件(以下,出資条件という)のうち二つ以上を満たすことを, 出資の検討を進めるための要件としている。

(1) 売上高営業利益率が5%以上である。

(2) 総資産経常利益率が5%以上である。

(3) 営業活動による CF と投資活動による CF の和(以下,FCF という)が負でない。

 

 表1〜3から,T社は出資条件の を満たしている。 この結果から,B社では,T社への出資の検討を進めることにした。

 また,B社は,T社の営業活動による CF が正で,投資活動による CF と 財務活動による CF が負であることから,T社は を 進めている企業と考えた。

 B社では,物流業務での提携に加えて,T社の情報システムの一部を廃止してB社の情報システムを 利用することを検討している。それによってT社のシステム運用保守費を削減し, T社の販売費及び一般管理費(以下,販管費という)を圧縮できると想定しており, T社の売上高や総資産が変わらなければ 上げられると考えている。

 

a に関する解答群 ア (1)と(2)の二つだけ      イ (1)と(3)の二つだけ

ウ (2)と(3)の二つだけ      エ (1)〜(3)の全て

 

b に関する解答群 ア 本業で得た利益に加えて,銀行からの借入れを増やして投資

イ 本業で得た利益に加えて,手持ちの資産を現金化して債務返済や株主還元

ウ 本業で得た利益を投資に回すとともに,債務返済や株主還元

 

c に関する解答群 ア FCF だけは

イ 売上高営業利益率と総資産経常利益率だけは

ウ 売上高営業利益率,総資産経常利益率及び FCF の全てを

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解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2  T社の企業価値の算出に関する次の記述中の に入れる適切な答えを, 解答群の中から選べ。

 

 B社では,各年度の FCF の現在価値を合計することで企業価値を算出している。 そこで,B社は,T社の企業価値を算出する準備として,T社の今後の FCF を 次のように予測した。ここで,T社との業務提携と出資は 2017 年度の初日に行われるものとする。

(1) B社との業務提携によって,初年度(2017 年度)に 10 %増加する。

(2) 2018 年度から 2020 年度まで年率5%で増加する。

(3) 2021 年度から 2023 年度まで年率3%で増加する。

(4) 2024 年度からは一定である。

 

 表4は,これらに基づくT社の各年度の FCF の予測である。

 

表4 T社の各年度の FCF の予測(単位:億円)

 

 B社では,企業価値の算出に,割引率を使った現在価値の考え方を用いている。 この考え方によると,割引率を r として1年複利で計算し,n 年後の FCF をCで 表すとき,その現在価値は C/(1+ r )n と表せる。B社は, T社の企業価値を算出するために,各年度の FCF について割引率を 0.1 として現在価値を計算した。 2017 年度の FCF の 2016 年度末時点の現在価値は, である。 ここで,各年度の FCF は各年度末に発生すると考える。

 T社の企業価値は,B社と業務提携することによって大きくなると予想される。

 誤って,割引率を考慮せずに各年度の FCF をそのまま合計して, B社で定義している企業価値よりも 計算してしまわないように, B社では定期的に担当者教育をしている。

 

d,e に関する解答群 ア 9.09      イ 9.84      ウ 10.00      エ 10.03      オ 10.50

カ 10.82      キ 11.00      ク 11.03      ケ 11.55      コ 12.10

 

f に関する解答群 ア 大きく      イ 小さく
解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます

解答 f ←クリックすると正解が表示されます

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設問3  B社では,様々な条件を変更してT社の企業価値(各年度の FCF の現在価値の 合計)がどのように変化するかを検証した。条件を変更する前に比べてT社の企業価値が 大きくなるものを,解答群の中から選べ。

 

解答群 ア B社がT社の企業価値を算出するときに使っている割引率を 0.12 に上げる。

イ T社の 2016 年度の銀行からの借入れの予測額を減らす。

ウ T社の 2016 年度の設備投資の予測額を増やす。

エ T社の 2016 年度の販管費の予測額を減らす。

解答 ←クリックすると正解が表示されます

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